このサイトにたどり着いて来てくださったという事は、あなたは今、お子さんのチックに悩み・向き合い・不安を抱えておられる状態なのかもしれませんね。
数年前の私もそうでした。
チックの息子を見ているのが辛くて、見ないようにしても音声チックは容赦なく聞こえてくる。この子の頭の中は一体どうなってしまったのだろう?って本当に辛かった。
一番つらいのは本人。そんなことは百も承知だけど、まわりにいる家族だって本当にしんどいんですよね。
そんな時私は、いつもネットで同じ境遇の方の話を読んで救われていました。
私は医者でもないし、専門の知識もないけれど、8年間子供のチックと向き合ってきた者として、自分の知っていることや失敗談、現在嘘のように落ち着いた息子の様子などを書くことで、あの頃の私の様に子供のチックで悩んでおられる方に、少しでも寄り添えたらいいなと思っています。
Contents
風邪かな?!チックのはじまり
息子のチックに初めて気づいたのは、幼稚園の年長さんになる春休みでした。
絵本の読み聞かせをしていた時に、「んッ、んッ、んッ」と小さな声が聞こえてきたのです。
はじめは、「あれ?風邪で喉がイガイガしているのかな?」と思っていました。
が、次の日もその次の日も、絵本を読んでいる時だけ言っているという事に気づいたのです。
少し違和感を覚えたので、スマホで
❝子供/絵本のときだけ/ふんふん❞
で検索してみると・・・『チック症』がヒット。
それまで私は、チック=目をぱちぱちさせるだけだと思っていたので、こんなにも種類があるということに大変驚いたのを覚えています。
チックとは
運動チックと音声チック
チックとは本人の意思とは関係なく、突発的に体が動いたり声がでたりする疾患で、その症状は主に運動チックと音声チックの2種類に分けられます。
運動チック | ・目をパチパチさせる ・白目をむく ・首をすくめる・振る ・首を鳴らす ・鼻をひくひくさせる ・においを嗅ぐ ・顔をしかめる ・手をビーンと伸ばす ・口を開ける ・地団太を踏む ・ジャンプする など。 |
音声チック | ・鼻を鳴らす ・咳ばらいをする ・舌打ちする ・目についた文字を繰り返し読んでしまう(反復言語) ・自分の発した言葉や他人が発した言葉・音を 繰り返し口にする(反響言語) ・「あっ、あっ、」「おっ、おっ、」 「んっ、んっ、」「シューシュー」等、声がでる ・卑猥な言葉や罵倒後など社会的に不適切な言葉を発する(汚言) など。 |
そして、運動・音声の両方の症状が1年以上続いた場合を、『トゥレット症候群』といいます。
“においを嗅ぐ” とか “咳払い” なんて、皆するんじゃないの?と思われるかもしれませんが、チック(トゥレット)の場合、定期的に同じ動きをするので明らかに「なんか違うな」とわかります。
我が家の息子は、唯一『汚言』だけはありませんせしたが、上記に書いた症状、ほぼひと通りやりました(;´∀`)
原因
ひと昔前まで、チックの原因は親の育て方が悪い・母親が過干渉・心の病気などという誤解があり、チック症をもつ本人やその家族をさらに苦しめてきました。
今現在も細かいことまではわかっていませんが、脳の代表的な神経物質であるドーパミンの過感受性が関与しているということが研究でわかっています。
チックは親の育て方が原因でも本人が悪い訳でもありません!
大抵は1年以内に自然と消えていく
子どもの5~10人に1人が経験するといわれるほど、チックは身近な症状でもあります。男女比は3:1で圧倒的に男性が多いとされ、4~5歳頃に始まることが多く、大抵が1年以内に自然ときえていく一過性のものと言われているので、まずは焦らず、指摘せず、様子をみましょう。
叱責したり無理にやめさせようとすると、悪化する場合もあるので、指摘しないことが一番!
事例
息子の場合、幼稚園の年長さんになる頃にはじまり、「そのうち無くなる一過性のものだろう」と私もあまり気にしないようにしていました。でも日が経つにつれ、今度は目をパチパチ・鼻の下を伸ばすといった、別の症状がでてきたのです。
それでもまだ生活に支障が出るわけでもなかったので、『見て見ぬふりが一番、見て見ぬふりが一番…』と呪文のように自分に言い聞かせていたのですが、、、一過性といわれる1年があっという間に過ぎ、治る事なく2年3年と過ぎていきました。
息子はトゥレット症候群でした。
一番ひどかった時期
過去を振り返ってみて、一番ひどかったのは小学3年生~小学4年生の時。何が一番辛いかって、音声チックがひどい。
時計で時間を確認するたび「にじごじゅっぷん、にじ、に、に、にじごじゅっぷん…」といった具合に、目でみた文字を大きな声で言っちゃうんです。初めの一文字が大きな声になるというか…。
漫画読んでたらそのセリフを、TVを観ていたら聞こえてきた音や言葉を、同じように言ってしまうんです。
チックにこんな形があるとは知らないお義母さんが、我が家に来た時、2階から聞こえる息子の声に「え、何?どうしたの?!」と驚いたほど(;´∀`)
学校での様子
授業中やテスト中にこのような大声が出てしまったら困るな、参観日には他の保護者の方に白い目で見られるんじゃないか…等いろんな心配をしましたが、不思議なもので学校では全然気にならないレベルのチックばかりで(腕を伸ばすとか顔をしかめる程度)、むしろその分帰ってきてからがひどかったです。リラックスモードになった途端、溜まってた分が出るといった感じ。
なので家の中ではどこに居てても息子の声が聞こえてきて、正直私も精神的に参りました。だって運動チックなら、見なければ気にならないけれど、音声チックは目を背けても耳に入ってくるのですから。逃げようが無い(-_-;)
ダメな母親だって言われても仕方ないけど、でもこの辛さは同じチックを家族に持つ人にしかわからないと思うんです。そんな時は隠れて泣きながら、同じ境遇の方のブログを読みまくって、心のデトックスをしていました。
イライラが爆発して思わず息子に「うるさーーい!」と言いそうになる心を 必死で抑えながら。
追記
先日絶叫チックでお悩みのブロ友さんが、昼夜問わず大声が出てしまうので…
騒音対策としてコチラを買ったら、かなりGoodだったそうです▼
この叫ぶ壺のおかげで、ご近所さんに聞こえるのでは…という心配からかなり解放されたそう!持っているだけで安心感もあるそうです。
絶叫チックに困っておられる方、一度試してみる価値アリかも(*^^*)
落ち着いたチック
一生付き合っていかなくてはならないのかな…。将来大人になって、体も大きく成長した息子が、もし街中で大声だしたら…
まわりに怖がられたり奇異な目にさらされるんじゃないだろうか…。
親としてはとても心配だったあの頃。
でも、高学年になった辺りから、息子のチックはだいぶ落ち着いてきたのです。そして中学生になった現在、ほぼ無くなりました。目のパチパチが たまーーーーに出るかな?くらいで、チックを詳しく知らない方だとたぶん気づかないレベルです。ちなみに薬の服用はしていません。
失敗談
本人が気にすると良くないと思い、「この動きはチックによるものだよ」という事を息子には話さずにいました。はじめは一過性のものだと思っていたからです。
しかしそのままズルズル カミングアウトするタイミングを逃してしまいました。
息子本人は、なぜ勝手に声が出てしまうんだろう?頭が勝手に動いてしまう…等 大きくなるにつれて自分の動きに疑問を持ったのではないかなと思います。もしかしたら不安になっていたかもしれません。
もっと幼いうちに、サラっと説明しておけば良かったなーと後になって少し後悔しました。お年頃になればなるほど、その病名を意識しちゃうし、自己肯定感が低くなる可能性もあるからです。
結局我が家ではチックの事について深く話し合うことがないまま現在に至ります。それが結果的に良かったのか悪かったのかはわかりません。
※子供さんにチックのことを伝えるのか伝えないのか、
伝えるならいつ・どのように伝える事がベストか。
タイミングは考えておく方がいいかもしれませんね。
振り返ると8年が過ぎていて、いま悩みの真っただ中におられる方からすれば「先が長すぎて心折れそう…」と思われるかもしれませんが、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、少しずつ成長とともに落ち着いてきます!だから大丈夫。イライラしても、涙流す日があっても、私のように思い出話にできる日がきっと来ますよ!
少しでも参考になれば幸いです♡
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。